君は生徒、愛してはいけない

電車は俺の声をさらって、走り去って行った。


「、、なに?」


「なんでもない。ごめん」

俺は目をこすって遮断機が上がった踏切を渡った。



みっともない。男が泣くなんて。

生徒に、妹に、最愛のひとに、見られてしまった。


「先生」

後ろから、さっきまで泣いていた華が言った。

「帰ろ?」



華は俺の手をとって、来た方向に歩いて行く。



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