君は生徒、愛してはいけない
「待って、先生」
振り返ると、華は何か言いたそうにこっちを見ていた。
俺はなにも言わずに華が喋り出すのを待った。
「なんか、、
、、なんかあったらいつでも言ってね」
華は背伸びして、俺の頭をポンポンと優しく叩いた。
おやすみっ、と言って恥ずかしそうに家に入って行った華から、目を逸らせなかった。
華は俺が喜ぶと思ったんだろうか。
いつも自分がされて嬉しいことをそのままコピーペーストしたみたいに
俺の言動そのままを俺に返して来た。
世界で一番愛おしいブーメランを食らった夜だった。