君は生徒、愛してはいけない
「先生、本読んでくれた?」
佐藤は少し震えた声で聞いた。
「読んだよ。おもしろかった。
もう授業始まるぞ、教室帰らないと」
俺は誰もいなくなった廊下に手招きして、佐藤を教室から出した。
佐藤は森と華にじゃあまたあとでねっと言って廊下に出て来た。
教室のドアを後ろ手で締めて、佐藤は俺を見た。
佐藤に本を差し出し、ありがとな、と言うと、佐藤は少し間を置いて言った。
「、、それだけ、、?」