本当はね、すごく嬉しかったんだよ。



「…あのさ、あんた何なの?」


本当は、そんな事言いたいんじゃないのに。
嫌な女。


「ああ、話してみたいと思ったんだよ。」

章司が笑った。


胸がいっぱいになった。


笑ってくれるだけで嬉しかった。


誰かの存在を、
大切だと思えた、

初めての人だった。
< 3 / 14 >

この作品をシェア

pagetop