NO NAME

「しおりー、どうしたー?」
「いや、何もー」

話しかけられた声をきっかけに、今野さんは私から視線を外して周りの人たちとまた喋りだした

私も別の方向を向いた


なんだったんだろうさっきの

なんで私のこと見てたんだろう

心臓うるさい

これじゃあ隣の席なのに戻りづらいよう



―-キーンコーンカーンコーン

休み時間が終わり綾も戻ってきた

私はまだドキドキしている心臓を落ち着かせながら意を決して席へと戻った
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