NO NAME
「ねえねえ」
「!?」

授業が始まると今野さんが小声で話しかけてきた

「悪いんだけど、教科書見せてくれない?注文はしたんだけど、まだ届かなくて」
「えっあっうん!いいよ。一緒に見よう」
「ありがとー!」

今野さんは屈託なく笑った

あ......可愛い


お互いにガタガタと机をくっつけて、机と机の間に教科書を置いた

〈今野しおりです。これからよろしくね。〉

今野さんが自分のノートのすみに書いて見せてきた

キレイってほどでもないけど、柔らかい字

〈並木七海です。こちらこそよろしくね。〉

私も自分のノートのすみっこに書いて返信する

〈ななみちゃん?〉
〈うん〉
〈可愛い名前だね〉
〈ありがとう(^^)〉

あんなに緊張してたのが嘘みたいに、いつの間にか授業そっちのけで筆談で盛り上がっていた
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