難攻不落な彼に口説かれたら
『えへへ、大好き』

さっきまで泣いていた雪乃が、俺を見て微笑んだ。

頰がピンクに染まり、その笑顔が可愛くてドキッとする。

急にご機嫌になった彼女はフラフラと立ち上がると、俺の席の隣にやってきて、ストンと座り込んだ。

これが三段階目?

『私が注いであげるね』

ニコッと笑うと、俺のおちょこに酒を注ぐ。

しばらく古賀さんと楽しく喋っていた雪乃だが、次第に目がトロンとしてきて終いには俺の膝を枕にして寝始めた。

まるで子猫だ。

絡んで、泣いて、陽気になって……そして眠る。

『古賀さん……どうするんですか?寝ちゃいましたけど?』

『まあ大人しく寝かせておけば?お前の膝気に入ってるみたいだし』
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