難攻不落な彼に口説かれたら
『変な男からも守ってきたが、雪乃も来年で二十八だろ?俺も親父も雪乃の行く末を心配しててなあ。俺の娘が生まれるまでは結婚願望はあったんだが、最近ではこのまま独り身でもいいって言い出して俺も困ってるんだ』

『……それで、俺に白羽の矢を立てたんですか?』

『あっ、バレた?』

古賀さんがわざとらしくボケるので、俺は冷淡に返した。

『どんな鈍感な奴でもわかりますよ』

『社長に聞いた話だとお前って有能だし、女癖も悪くなさそうだし、そして何よりお前自身が雪乃に関心持ってるだろ?』

古賀さんは、確信を持って言う。

否定はせずに、聞き返した。

『どうしてそう思うんですか?』

人からはいつも無表情だと言われている。

俺が雪乃に興味を持っているのが、なぜ古賀さんにはわかるのか知りたかった。
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