難攻不落な彼に口説かれたら
『あちゃー、うちの娘が熱出したみたいだ。片岡、悪いが雪乃のこと頼むわ』

……本当か?

あまりのタイミングの良さについ古賀さんに訝しげな視線を向けてしまう。

だが、お嬢さんが熱ということもあり強く突っ込めない。

『俺に大事な従妹を任せていいんですか?』

古賀さんの無責任さをそれとなく責めたが、逆に俺がやり込められた。

『お前が面倒見ないなら、厄介なのが横からかっらさってくけど。お前はそれでいいのか?』

古賀さんは、同じ部屋にいる俺の従弟にチラリと目を向ける。

いいわけない!

ギロッと古賀さんを睨みつけると、彼はそんな俺を見て満足そうに笑った。

『いい目してるじゃないか。じゃあ、お前の歓迎会なのに途中抜けして悪いけど、俺帰るわ。あとは宜しく』
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