難攻不落な彼に口説かれたら
一緒にいたいと思うのは俺も同じ。

無事に家に送り届けるつもりでいたが、気が変わった。

そうなるよう古賀さんにお膳立てされた気はするが、他の男に彼女を取られるよりはいい。

そう自分のプライドより、彼女の方が大事だ。

二十分程してタクシーが俺のマンションの前で停車すると、雪乃を連れて中に入る。

『凄いところに住んでるね』

大理石で出来ている豪華なエントランスを見て、雪乃が感嘆の声を上げる。

『うちの社長である叔父の持ち家のひとつなんだ。急に赴任が決まったから、仮の住まいってとこかな』

叔父のから借りている部屋は、この四十二階建ての高層マンション最上階にあって、間取りは四LDK。

リビングは三十畳あって開放的で、かつ、暖炉もあって家庭的な雰囲気。
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