難攻不落な彼に口説かれたら
雪乃が可愛くない発言をするので、キスをして黙らせる。

「〝邪魔〟とか〝迷惑〟とか俺の前で使うの禁止ね。それと、ふたりでいる時は名字も禁止。ほら名前で呼んでごらん。呼ばないと、服渡さないよ」

意地悪く告げると、雪乃は照れながら俺の名前を口にした。

「……仁。でも……片岡君の方がしっくりくるよ」

「それは、呼び慣れてないからでしょ?一日百回くらい呼べば慣れるよ」

「百回って……会社で思わず名前で呼んじゃうかもしれないよ」

雪乃が会社で「仁」と呼んで頬を赤く染めるシーンを想像し、知らず笑みが零れる。

「それは、面白そうだな」

「……からかってるでしょう?」

上目遣いに雪乃が俺を睨みつける。

「可愛いって思ってるよ」

「かわ……‼︎」
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