難攻不落な彼に口説かれたら
それから、チャイナドレスを着た女性に案内されテーブルに着く。

メニューを見て小籠包や海老焼売、フカヒレ餃子やスープ等七品程注文した。

正直言って料理の味はわからなかった。

胸が一杯でそんなに食欲なくて……。

仁とこうして過ごしているだけで嬉しかった。

高校時代の話で盛り上がり、あっという間に十時を過ぎて店を出る。

ずっと一緒にいたから、ここで別れるのは寂しい。

でも……明日は会社あるしね。

「じゃあ、また明日会社で」

そう声をかけて仁に持ってもらってる紙袋を渡してもらおうとしたら、「帰さないよ」と少し意地悪な顔で彼に言われた。

「でも……パジャマないし」

昨日着替えは取りに行ったけど、まさか仁の家に連泊するなんて思ってなくてパジャマは用意しなかったのだ。
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