難攻不落な彼に口説かれたら
私を大事に愛してくれる仁。

そんな彼の優しさに心も身体も熱くなる。

「私も」

仁の目を見て告げると、〝知ってる〟とでも言うように私に深く口付けた。

恋人達の夜はまだ終わらない。

明け方まで私達は愛し合った。



翌朝、仁の車で彼と一緒に出勤した私。

他の社員に会うんじゃないかとドキドキしながら車を降りてエレベーターに乗ると、仁に笑われた。

「動きがぎこちなくて挙動不振」

「だって、誰かに会ったら……‼︎」

〝困る〟って言いたかったのに、仁が身を屈めてきて私にキスをした。

「こんなとこ見られて困るって?」

驚きで目を丸くする私を見て仁は悪戯っぽく笑う。

心臓はバクバク。
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