難攻不落な彼に口説かれたら
そんなのバレたら私が女子社員に殺される!

ここはルールを決めなければ。

「あのね。仁はモテるの。だから会社ではただの同僚として振舞って」

「努力はするけど、保証は出来ないな。好きな子と付き合うのは初めてだし、加減が出来ないかもしれない」

仁が私を見てどこかダークな笑みを浮かべる。

この顔、努力をするかどうかも怪しい。

でも、そんな彼の言葉が嬉しくて舞い上がってしまう私って、ホント単純な女かも。

「ちゃんと努力してね」

念を押すようにトンと軽く仁の胸を叩いたその時、小野寺君が現れた。

「おはようございます」

「あっ、おはよう、小野寺君」

小野寺君の方を振り返って挨拶すると、彼は私の胸元に目を向けた。

「そのネックレス素敵ですね。彼からのプレゼントですか?」
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