難攻不落な彼に口説かれたら
小野寺君の質問に慌てた私は、彼の目から隠すようにペンダントトップに触れる。

「こ、これはね……」

素直に言うべきか……。

背後から仁の無言の圧力を感じる。

「そう、彼にもらったの」

ニコッと小野寺君に向かって笑顔を作った。

「へえ、そうなんですね。雪乃先輩の彼って素敵な人なんでしょうね?見てみたいなあ」

……すぐ近くにいるよ。

そう心の中で呟くと、「そのうちね」と言葉を濁してパソコンを立ち上げる。

すると、仁がチャットを私に送ってきた。

【上出来】

……横にいるのに、チャットって変な感じ。

さすがに小野寺君の前でイチャイチャ出来ないしね。

仁の対応にホッとすべきなのだろう。
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