難攻不落な彼に口説かれたら
8、小さな訪問者 ー 仁side
「そう、彼にもらったの」

ネックレスのペンダントトップに触れながら、雪乃がニコッと拓海に微笑む。

俺の存在を認めたことに安堵はしたが、こいつにそんな可愛い笑顔を向けるなって言いたいのを堪えた。

「へえ、そうなんですね。雪乃先輩の彼って素敵な人なんでしょうね?見てみたいなあ」

雪乃にはにこやかに微笑むが、拓海は不意に俺に鋭い視線を投げる。

雪乃の言う『彼』が俺だというのはバレてるだろう。

金曜日の夜彼女を送ったのは俺だし。

それに、拓海の位置からは俺が雪乃の首筋につけたキスマークが見えているはず。

雪乃本人も気づいていないし、洋服で隠れてるから本当に近づいて見ないとわからない。
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