難攻不落な彼に口説かれたら
「……お、お前なあ、仮にも上司の口にらっきょう放り込むなよ。喉に詰まるかと思ったぞ」

「すみません。その煩い口を止めるには手っ取り早かったので」

形だけの謝罪をして、フッと笑う。

「お前って本当にえげつねえな。雪乃にネックレスプレゼントしただけでは足りなくて、首のとこにもキスマークつけただろ?」

古賀さんに追及されたが、逆に目を細めてやり返す。

「古賀さんに見せるつもりはなかったんですが、どんだけ雪乃に近づいてるんですか?」

「おいおい、仕事上いろいろあるだろうが……。同じディスプレイの画面見てる時に……つ、つい目についたんだよ」

少し狼狽えた様子で言い訳する古賀さんに疑いの眼差しを向ける。

「本当に?」

「別に意識して見てたわけじゃない。俺には愛する妻が……んぐぐ‼︎」
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