難攻不落な彼に口説かれたら
優しく注意すると、心ちゃんは黙り込んだ。

オフィスに彼女を連れて行くと、雪乃がギョッとした顔をする。

「心ちゃん?なんでここにいるの?」

「パパにプレゼントどうしてもあげたかったんだってさ。古賀さんとこの子のママに連絡してくれない?」

雪乃にそう頼むと、彼女はすぐにスマホを取り出した。

「わかった」

心ちゃんを隣にあるミーティングルームに連れて行くと、彼女を下ろした。

「ここで休んでて」

「パパは?」

「今出かけてて、夕方にならないと戻って来ないんだ」

「そんなあ」

心ちゃんがガックリと肩を落とすと、雪乃が慌てた様子でミーティングルームに入って来た。

「心ちゃん、ママがすぐに迎えに来てくれるから」
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