難攻不落な彼に口説かれたら
コースターには絵が古賀さんらしき男性の絵が描かれていた。

「これパパかあ?」

少し納得いかないような顔で古賀さんは心ちゃんに問いかける。

「似てるでしょ?」

心ちゃんは古賀さんを見て得意げ笑う。

「ありがとう、心。でも、ひとりで会社に来るのはダメだぞ。ママだって心配するからな」

古賀さんが心ちゃんを叱ると、彼女はしゅんとした顔になった。

「……ごめんなさい。もうしないから、パパ今日は一緒に帰ろう。『定時』だともうお仕事終わりなんだよね?」

「あ〜、それは……」

古賀さんは困り顔で頰をポリポリかく。

「パパはこの後も接待っていうお仕事があってなあ。一緒には帰れないんだ」

「『接待』ってお酒飲むんでしょう?お仕事じゃないよ」
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