難攻不落な彼に口説かれたら
視線をパソコンのディスプレイに戻し、仕事に集中した。

まずは片岡君のメールアドレス、パソコン、モバイル機器の申請を素早く済ませると、古賀さんのスケジュールをチェックして片岡君の歓迎会の候補日をメモする。

片岡君が古賀さんと話を終えると、声をかけた。

「片岡さん、ちょっといいですか?」

内心ドキドキだった。

「何?」

クールな片岡君の眼差しに思わず身構えてしまう。

元同級生なのに、職位が上というのもやりにくい。

「エレベーターではすみませんでし……コホッ」

ペコリと片岡君に頭を下げ今朝のことを謝ろうとするが、そういう時に限って咳が出る。

そんな私を数秒じっと見据える片岡君。
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