難攻不落な彼に口説かれたら
「いいですよ」

仁は席を立つと、美鈴さんと一緒に専務室に向かった。

それとすれ違いに小野寺君がやってきたけど、今日はどこかお疲れモード。

「おはようございます……あふ」

いつもなら爽やかに挨拶するのに、今日は欠伸を連発している。

それに、着ている服も昨日と同じような……。

昨日はクリスマスだったし、彼女とずっと一緒にいたのだろうか?

小野寺君なら彼女いそうだ。

微かに甘い香水の匂いがする。

「おはよう。今年もあともう少しで終わりだから頑張ろうね」

にこやかに挨拶を返して小野寺君の頭を軽くポンと叩く。

「雪乃先輩、朝から元気ですね。俺にも元気わけて下さい〜」

小野寺君は、だらけた様子で机に突っ伏す。

「コーヒー淹れてきてあげるね」
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