難攻不落な彼に口説かれたら
それから三人で会社に入り、エレベーターで田中さんと別れると、雪乃とオフィスに向かった。

席に着くと、雪乃のブーツを脱がせて足の状態を確認する。

「そんなにひどくはないの。歩くと痛むけど、腫れは引いたし……」

湿布が貼ってあって患部を直接確認出来ないが、雪乃の言うようにそんなに腫れてはいない。

パンプスだときついから、大きめのブーツを履いてきたのだろう。

「触ると痛い?」

雪乃の顔を見ながら足に触れる。

「触れるだけなら大丈夫。左右に動かされると辛いけど」

茶化すように言って雪乃は小さく笑った。

そんな雪乃を見てちょっと安堵した。

「お前ら、朝から何を会社でイチャついて……ん?雪乃、お前……」
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