難攻不落な彼に口説かれたら

「どうだか？その女の連絡先教えて。こっちで調べる」

拓海から女の情報を聞き出すと、古賀さんにも連絡し、興信所にも調査を依頼した。

オフィスに戻ると通常通り仕事をし、定時になると隣にいる雪乃に声をかけた。

「ほら、パソコンの電源落として帰るよ」

「え？今日も接待あった……‼︎」

驚いて声を上げる雪乃の唇に指を当て黙らせる。

「今日の俺は風邪なんだってさ」

雪乃に優しく微笑むと、彼女は周りを気にしてか唇に当てた指をガシッと握って辺りを見回した。

他の同僚に見られていないことに安堵すると、雪乃はチラリと古賀さんに目を向けた。

「古賀さんがそう言ったの？」

俺は雪乃に顔を近づけると声を潜める。

「そう。だから、一緒にうちに帰ろう」

「でも……あんまり頻繁にお邪魔しちゃあ、迷惑じゃあ……」