難攻不落な彼に口説かれたら
いつもなら八時半に出勤してこの時間は余裕でメールを見ているのだけど、今朝は運悪く電車が遅延して遅刻ギリギリ。
おまけに病み上がりで身体が辛い。
エレベーターの中はすし詰め状態で、私の目の前にいるダークグレーのコートを着た男性の胸に自分の身体を押し付ける格好になっている。
恥ずかしくて、顔を上げて男性の顔なんてチェックできなかった。
でも顔も見えないから、すごく背が高そう。
相手の人も不快に思ってるかも……。
「すみませ……コホッコホッ」
男性にもう一度謝ろうとするが、咳が出て最後まで言えなかった。
エレベーターが階を上がるにつれ、人が少しずつ減っていく。
私が降りるのは、経営企画室のオフィスがある三十四階。
おまけに病み上がりで身体が辛い。
エレベーターの中はすし詰め状態で、私の目の前にいるダークグレーのコートを着た男性の胸に自分の身体を押し付ける格好になっている。
恥ずかしくて、顔を上げて男性の顔なんてチェックできなかった。
でも顔も見えないから、すごく背が高そう。
相手の人も不快に思ってるかも……。
「すみませ……コホッコホッ」
男性にもう一度謝ろうとするが、咳が出て最後まで言えなかった。
エレベーターが階を上がるにつれ、人が少しずつ減っていく。
私が降りるのは、経営企画室のオフィスがある三十四階。