難攻不落な彼に口説かれたら
どうやらエレベーターの一件で、かなり嫌われたらしい。

「これで全部みんなの名前は覚えたし、仕事上困らない。だから、歓迎会は必要ないよ」

片岡君はやんわりと断る。

そんな彼にカッとなった私は、思わず言い返した。

「これは上司命令です。断れませんよ」

「俺も忙し……!」

片岡君が反論しようとしたその時、頼れる上司が割って入った。

「片岡、二十二日で決まりな」

秀兄は、有無を言わせぬ笑顔で言う。

「わかりました」

不承不承ながら聞き入れる片岡君。

「何が食べたいですか?」

一応好みを聞くが、その質問さえも煩わしかったようで、片岡君は面倒くさそうに答えた。

「適当でいい」

……こういうとこ、変わってない。ホント、非協力的。
< 20 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop