難攻不落な彼に口説かれたら
雪乃の身体から布団をベロっと剥がすと、寒かったのか彼女はブルッと震え飛び起きた。

「ぎゃあ!」

身につけてるのは下着だけだし、まあ寒いよな。

昨日、雪乃の寮にわざわざパジャマを取りに行ったのに、彼女は寝ぼけながら『暑い』と言って脱いでしまった。

「すごくそそられるんだけど」

雪乃の身体をマジマジと見てそう言うと、彼女は「わ〜、見ないで!」と大騒ぎして枕で自分の身体を隠した。

「今さら隠しても無駄だよ。もう全部見て知ってる」

ベッドの端に座り意味深発言をすると、「もう、そういう恥ずかしいことを、そんなクールな顔で言わないで!」と雪乃に怒られた。

『クール』と言われても困る。

生まれつきこんな顔なのだ。

「言っておくけど、パジャマ、俺が脱がしたんじゃないからね。雪乃が勝手に脱いだんだよ」

そう言って雪乃の顎をクイと掴んでキスを落とすと、彼女はトロンとした顔になった。
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