難攻不落な彼に口説かれたら
「でも、朝からちゃんと作って偉い。何にも手伝わなくてごめんね」

雪乃は手を合わせて謝る。

「そんなのいいよ。グッスリ眠れた?」

「うん。仁のお陰で寝れたよ。ありがと」

だいぶ疲れが取れたのか、雪乃はスッキリした顔で答えた。

「それは良かった。このままずっとうちにいるといい。雪乃のために毎日朝食作るよ」

ニコッと微笑むと、雪乃は戸惑いながら言った。

「こんな綺麗なとこに住めて、おまけに朝食付きなんて……美味しすぎる話」

「俺がいることを忘れないでよ」

わざとしかめっ面で念を押すように言うと、雪乃はクスッと笑った。

「最強の勧誘だね。家賃百万出しても住みたい人、いっぱいいるよ」

明言を避けたいのか、雪乃は話をすり替えようとする。
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