難攻不落な彼に口説かれたら
「無茶しないでね。仁に怪我なくてよかった」

雪乃は、ギュッと俺の腕に手を絡め抱きついた。

「雪乃も怪我なくてよかった。これで今夜から安心して眠れる」

意外に早く拓海の件が、解決してホッと胸を撫で下ろす。

拓海と雪乃を会わせたくはなかったけど、結果的に今日会って良かったのかもしれない。

少しは恐怖から解放されたんじゃないだろうか。

車に乗り込むと、雪乃に提案した。

「今日も定時で終わったし、『海ほたる』までドライブして帰ろうか。今、そういう気分」

「いいね」

雪乃は俺の目を見てニコッと微笑む。

いつもの雪乃だ。

ずっとこうやって俺の横で彼女が笑っていますように。

車を発進させると、雪乃と夜のドライブを楽しんだ。





















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