難攻不落な彼に口説かれたら
だから、高校生の時、いつも授業中窓の外を眺めていたんじゃないだろうか?

そんな仁を自分が側にいて守ってあげたいと思った。

「こそこそ何を話してるんです?」

突然仁が現れてドキッとする。

でも、秀兄は平然とした様子で、「正月の予定を聞いてたんだよ」と仁に返した。

「俺達は、北陸の方へ行く予定があるんですよ」

え?それは初耳。

「北陸かあ。渋いな。北陸新幹線で行くのか?」

顎に手を当てながら秀兄は相槌を打つ。

「スタッドレスタイヤを買ったんで、車で行こうかと。雪乃の足にもあまり負担はかけないですしね」

「お前の車って国産のスポーツカーだよな?」

「ええ。古賀さんはドイツ車でしたよね?」

「ああ。だがな、休日乗るのは国産のワゴンだ。子供と出かけるにはスライドドアがいいぞ」

秀兄は、先輩顔で仁に勧める。
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