難攻不落な彼に口説かれたら
周りでショックを受けている男達を見て、正直〝勝った〟っと思った。

気分は爽快。

雪乃は親しげに俺に触れているし、これで奴らは俺のものと理解しただろう。

「はい、喜んで」

微笑みながら恭しく頭を下げ、雪乃を抱き上げると大きなどよめきが……。

ここまでみんなが驚くと、楽しくて仕方がない。

「これで、俺達のこと社内中に知れ渡ったよ」

酔ってる雪乃に笑いかけるが、彼女は眠そうに俺の首に手を巻きつける。

「雪乃ちゃんは疲れてるみたいだな。足を怪我してるとさっき古賀室長に聞いたが、大丈夫なのか?」

社長である叔父が、温かい目で雪乃を見る。

「捻挫でまだ足をひきづってますが、そのうち治ると思います」

叔父に雪乃の怪我の状態を伝えると、彼はホッとした表情を見せた。
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