難攻不落な彼に口説かれたら
「拓海のこともあったし、お前がちゃんと雪乃ちゃんをケアしてやるんだぞ」

俺がポンと俺の肩を叩くと、彼の目を見て頷いた。

「ええ、わかっています」

キャバ嬢の件がすぐに解決して本当に良かった。

長い間ストーキングされていたら、精神的なダメージも大きかったと思う。

ほんの数日でも相当なショックを受けたのだから……。

かすかに雪乃の寝息が聞こえる。

いつもの酔いのパターンだと次に泣きが入るのだが、かなり疲れたのだろう。

古賀さんが、雪乃の顔を覗き込み残念そうに言う。

「あ~、なんだ雪乃、もう寝たのか?もう少し面白いこと喋ると思ったのに……。そう言えば、高校時代のこいつ、どんだけモテてた?本人無自覚だから、聞いても答えられなくて……。一度同級生だったお前に確認したかったんだよなぁ」
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