難攻不落な彼に口説かれたら
「夜になったら飛ぶかもね」

「……怖くて寝られなくなるからやめて」

上目遣いに仁を睨むと、トンと肘で彼の胸を突いた。

それからすぐに食事が運ばれてきて、カニ&ブリしゃぶ、刺身、能登牛のステーキに舌鼓を打つ。

「……ダメ。これ以上、食べられない」

ハーッと息を吐きながらお腹を撫でる。

このお腹は絶対に仁には見せられない。

「女の子には量多いかもね」

仁は目を細めて笑うと、箸を置いた。

小休憩してなんとかデザートのメロンを頂くと、浴衣に着替える。

仁にお腹を見られたくなくて、部屋のお風呂の脱衣所で着替えた。

鏡で自分の姿をチェックする。

「うん。いいかも」

脱衣所を出ると、仁も着替え終わっていて思わずボーッと見惚れてしまった。

和服姿の仁を見るのは初めてだけど、すごくいい。
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