難攻不落な彼に口説かれたら
「それは良かった。この近くに神社があるらしいんだけど、明日初詣に行ってみる?」

「うん、行きたい」

ちゃんとリサーチしてあるのが仁らしい。

車もずっと彼が運転してくれてたし、こんな楽させてもらっていいのだろうか。

湯船に浸かり、空を見上げると、星が輝いていた。

山の中だから街の光がなくて、星がよく見える。

「うわー、星が凄く綺麗!」

感嘆の声を上げると、仁もリラックスした様子で空を見上げた。

「ホントだ。オリオン座がはっきり見える」

「東京でもオリオン座見えるけど、一回り大きく見えるね」

「確かに」

仁は、私の言葉にゆっくり頷いた。

「大学の時に近くに天文台があって展望会とか行ったの思い出すなあ。月のクレーター見ただけでも、感動したよ」
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