難攻不落な彼に口説かれたら
「土星の輪っかじゃなくてごめんね」

こんなお茶目な仁も、クールな仁も、優しい仁も……彼の全てが好き。

「私には、土星の輪っかよりずっと価値があるよ。ありがとう。大事にするね」

仁の目を見て満面の笑みを浮かべる。

「俺も雪乃を大事にするよ」

結婚式で誓いの言葉を言うように、仁は真摯な目で告げると唇を重ねてきた。

幸福感でいっぱいで胸が熱くなる。

この人に出会えたことを神様に感謝します。

それに、好きになって良かった。

「私も仁を幸せにしたい」

キスを終わらせた仁にそう自分の想いを伝えると、彼は極上の笑みを浮かべた。

「楽しみにしてる」

高校の時は、仁とこうして付き合うなんて想像もしなかった。

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