難攻不落な彼に口説かれたら
「昨日会ってビックリしたけど、高校の同級生だよ」

なるべく平静を装って答える。

「ふーん、元彼とか?」

秀兄はニヤニヤ顔で私を見る。

「違うよ。片岡さんに失礼だから、変に勘ぐるのやめてよね」

私をからかう秀兄を注意する。

「はいはい。でも、お前もさあ、来年の二月で二十八なんだから、そろそろ相手見つけたら?片岡とか有能だし、浮気とかしなそうでいいと思うけどな」

……やけに片岡君とくっつけたがってるなあ。

そんなに彼のこと気に入ったんだろうか?

でも、片岡君となんて絶対にありえないのに。

「片岡さんにだって選ぶ権利はあるんだよ。それに、簡単に見つからないからまだ独身なの。もうこのままおひとり様でもいいよ」

大学の時に一度サークルの先輩とデートしたことはある。
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