難攻不落な彼に口説かれたら
「いいよ。中村さん、向こうの企画の長田に連絡して、片岡に同行してやって?」

「え?私がですか?」

秀兄に指名されるとは思っていなくて、目を丸くする私。

「そう。お前が適任だ」

秀兄が私の目を見てニヤリ。

あっ、さては私と片岡君をくっつけようって魂胆でしょう?

このお節介!

心の中で秀兄を罵ると、彼を睨みつけながら返事をした。

「はい。わかりました」

片岡君はまだ秀兄と話をしていて、ひとり先に自席に戻ると、小野寺君が出勤してきた。

「雪乃先輩、おはようございます!」

小野寺君はひまわりの様に明るい笑顔を向ける。

「おはよう」

私もつられて微笑むと、小野寺君は私の髪型を褒めてくれた。
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