難攻不落な彼に口説かれたら
「雪乃先輩、アップもいいですね。大人っぽくて素敵です」

「ありがと。小野寺君はいつもオシャレだよね」

シャツやネクタイもそうだけど、カフスボタンもこだわってるみたいで、今日は雪の結晶の柄のブルー系でまとめている。

片岡君も秀兄との話が終わったのか、席に戻るがじっと私を見た。

ん?

私……なんかおかしい?

あっ、ひょっとして研究所の件かな?

「昨日はありがとうございました。研究所の方はこれから手配します」

電話をしようと受話器を手に取るが、片岡君はまだ席に着かずじっと私を見ている。

「その髪……」

「髪?」

私がキョトンとすると、片岡君は「いや……何でもない」と頭を振った。
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