難攻不落な彼に口説かれたら
長田くんの説明にショックを受ける。

「え?そうなの?楽しみにしてたのになあ」

「ごめんね、中村さん。次来る時はもっとクレバーなフォーチュン君になってるから。では、ショールームから見て行きましょうか?」

長田君は私にすまなそうに謝ると、片岡君に声をかけた。

「いや、そういうのはいい。実験室や研究室に行って研究員と直接話したい」

片岡君の要望に長田君は困惑顔。

「長田君、いろいろ研究室の都合もあるだろうけど、何とかお願い!」

長田君に向かって手を合わせた。

「……何とかやってみるよ」

長田君は苦笑しながらも了承する。

それから二時間くらい長田君の案内で研究所の中を回った。

片岡君は真剣な顔で実験を見たり、若い研究員さんからノーベル賞候補にもなった有名な研究員にまで質問をして研究所のあり方に問題がないか聞いていた。
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