難攻不落な彼に口説かれたら
運転手さんのことが気になったのか、中村さんは渋々
と言った顔で『……はい』と返事をすると、タクシーに乗り込んだ。

多分、本人は納得していない。

ここでずっと揉めたら、運転手さんに迷惑がかかるから乗っただけだ。

やれやれ。

中村さんに言うことを聞かせるのも楽じゃない。

『お疲れ』

中村さんに別れの挨拶をすると、彼女も『お疲れ様でした』と返す。

中村さんを乗せて発進するタクシーを姿が見えなくなるまで見送った。

『やっと帰った』

これで俺も帰れる。

ホッとしてその日は帰宅の途に着いた。



次の朝起きてメールを開くと、PCのアドレスの方に古賀さんからメールが来ていた。
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