難攻不落な彼に口説かれたら
それが……彼の優しさなんじゃないだろうか?

「何その疑問形?」

美鈴さんがクスッと笑いながら突っ込む。

「う~ん、私もまだ片岡さんのことはよくわからないです」

再会したのだってつい最近だし。

「まだ?」

今度は麗奈ちゃんが私に聞き返した。

「実は、高校の時の同級生なの」

私がそう打ち明けると、麗奈ちゃんが興奮して叫んだ。

「え~、じゃあ、運命の再会じゃないですか!」

「こらこら、秘書室で叫んじゃダメよ」

美鈴さんは、麗奈ちゃんを優しく注意する。

「だって、あのイケメンと同級生だったなんて羨ましくって……」

麗奈ちゃんは、小声で言い訳した。

「そんな期待するような再会じゃなかったよ。私の髪の毛が片岡君のコートのボタンに絡まっちゃって、最悪だった」
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