難攻不落な彼に口説かれたら
「雪乃先輩、笑わないで下さいよ。僕のキメ顔なんですから」

「ごめん、ごめん。私は会場の確認があるから先に行くね」

小野寺君に優しく微笑むが、その時、片岡君の視線を感じた。

……ちょっと煩かったかな?

小野寺君と話してると、今みたいに片岡君の視線を感じることがよくある。

片岡君の迷惑にならないように気をつけないと……。

みんなより一足先に退社すると、会社から徒歩で十分程の所にある寿司屋に向かった。

店に着くと、まずお願いした料理の確認をして、先に支払いを済ませる。会費は事前に徴収済みだ。

二階のお座敷に案内されてみんなが来るのを待っていると、開始時間の六時半までに全員やって来た。

主役の片岡君と秀兄は上座に座る。

幹事の私は廊下側の末席。
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