難攻不落な彼に口説かれたら
みんなの飲み物のオーダーを取ると、店の人に伝えた。

飲み物が行き渡ると、上座にいる秀兄に声をかけた。

「古賀さん、最初の挨拶お願いします」

私と目が合うと、秀兄は「了解」と微笑みながら言ってビールのグラスを手に取り立ち上がった。

「えー、一部噂にもなっているが、片岡は将来うちの社長になる若くてイケメンで有能な男だ。みんな出世したかったら、今のうちに片岡にゴマをすっておくように」

秀兄の挨拶に、片岡君は困惑顔。

「ちょっと、古賀さん!」

秀兄は片岡君に向かって悪戯っぽく目を光らせて笑う。

「まあ冗談はさておき、俺達の明るい未来と、片岡の輝かしい未来に乾杯!」

秀兄がグラスを掲げると、みんなも「乾杯!」と言って近くの人とグラスを交わす。
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