難攻不落な彼に口説かれたら
5、ホットミルクよりも甘いキス
お姫様抱っこをされて運ばれたのは、彼の寝室のベッドだった。

「好きだ」

耳元で甘く囁かれ、キスされる。

何度もキスを交わして、片岡君が私の目を見て問いかけた。

「いい?」

何を聞かれているのかわからないほど私も馬鹿じゃない。

好きな人に言われたら、断る理由なんてなかった。

だから、「うん」って頷いた。

片岡君が私に『好きだ』なんて絶対に言うことはない。

これは、全部私にとって都合のいい夢なんだ。

夢なら自分の気持ちに素直になれる。

「片岡君、好き……」

そう想いを口にすると、片岡君の首に腕を絡め自分から口付けた。

普段では考えられない大担な行動。
< 94 / 294 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop