難攻不落な彼に口説かれたら
彼ならどんな女でも手に入れられる。

わざわざ私を襲わなくても、片岡君と寝たい女の子はごまんといる。

きっと私が彼のことが好き過ぎて迫ったんだ。

片岡君はそれでしかたなく私を抱いた。

そう結論づけるのが妥当だろう。

そう言えば、昨日お酒飲んだんだよね。

記憶が全くないわけじゃない。

片岡君に説教したことも……、彼の前でポロポロ涙流して泣いたことも……、彼と一緒にタクシーに乗ったのも覚えてる。

私……なんてことしちゃったんだろう。

どんな顔して片岡君に会っていいかわからない。

とりあえず、彼が起きる前にここを出なきゃ!

混乱した頭のまま片岡君の手を外してそっとベッドから出るが、下腹部に痛みを感じて屈み込んだ。

「うっ……」

……お腹が痛いし、身体もだるい。

顔をしかめながら辺りを見回すと、床に落ちている自分の下着を拾い上げた。
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