大人の心になってあなたに会いに行く
薄暗い光が、私のまだ痛い後頭部を刺激することはなく、ゆっくりと目を開けると、そこには響がいた。

「大丈夫か?奏?!ここ律の家の病院よかった……。
奏が呼び出されたって聞いたから、ほんとに心配で……。助けに行ったのはいいけど、あのクソ野郎ムカつく…。」

「ありがとうね、響。
大好き…。」

ふと口にしていた言葉に響はもちろん言った本人が一番驚いていた。

この時初めて、響が好きなんだって気づいた。
格好良くなっていく三人の中でやっぱり響から目が離せなくて、どうしようもなかったんだと私は今初めて分かった。
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