大人の心になってあなたに会いに行く
「ごめん……別れよ」

私は何を言われているのか解らなかった。
いや、理解しようとできなかったんだ。
そして、響は呆然としている私に向かって、

「これは、二人の為なんだ。僕の都合がほとんどだから…ほんとにごめん。」

「……。分かった。もういい。」

私は、そう言ってあとに続こうとしていた響の言葉を聞かずに走って学校を出た。
冬の寒さなんて比じゃないくらい私の心は冷たくなった。
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