大人の心になってあなたに会いに行く
僕がボーカルとして立つことに観客は興味と関心を持ってくれている人はまぁ、まぁ居るみたいだし。

もしかしたら、届くかもしれないって僅かな僕の願いが沢山の人を飲み込んで、他の人に目が行かないようにしてやる。
奏…。君も。

最初から、リズムが早めのテンポ。
さぁ…始めよう。
少しキーの高めの音で…。

「君をずっとずっと………好きなんだ」

そう、僕は奏が好き。
でも、それは言えないから、歌で届ける。

「君の笑顔が壊れなければ僕はもういいんだ。」

そう、別に奏が笑ってさえいてくれたらいいんだ。

「なのに…なんで、あいつの為だけに泣いたり、悲しんだり僕には見せてくれない笑顔まで魅せるの?」

あいつの為なんかに頑張って無理して笑わなくてもいい。
だけど、あいつの為に泣いてほしくもない。

「僕は、もう決めた。知ってるよ君があいつの事好きなんて。
気づかないとでも思った?
だから……僕は」

そう、もう決めたんだ。
僕は……

「叶わなくたって君に恋をする。
例え世界が君から離そうとしても、もう諦めない。」

もう……二度と奏にあんな顔させないから。
君の笑顔は…僕が壊したのにゴメンね。
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