月が綺麗だと、僕は君に伝えたかったんだ。
俺のことを “ハル”と呼ぶのは、今はアキしかいない。
アキの他にもあともう1人いたけれど、そいつとは小学3年生の頃から何年も会っていないし、
今どこにいるのか、
何をしているのか、
それすらも分からない。
そうだ、アキを信頼しているのは、この呼び方のせいもあるのかもしれない。
アキと出会ったのは高校入学前の春休み、
部活の練習に来た時にたまたま同日に顔を出していたのがアキだった。
自己紹介をしたら、
「春樹かー、じゃあ、“ハル”だな!!…あ、そうだ!俺のことは、“アキ”って呼ぶことにしようぜ!」
その時のアキの台風のようなノリだった。
でもその時の俺は、“ハル”と呼ばれる事に対して嬉しい気持ちと寂しい気持ちがあって、少し複雑な心境だった。
「───“ハル”、か…。」
そう呟いて、目を閉じると、
あいつの笑顔が思い浮かんだ。
また思い出してしまった。
忘れよう忘れようとしたけれど、
あいつだけは、俺の中の何かが、
忘れさせてくれないのだ。
『ハル!!見て!サーブ!サーブ打てるようになった!!』
……あの時無邪気に笑っていたお前は、今どこで、何をしているんだ。
突然俺の前から消えて、
連絡も寄越さないで、
俺は、俺は────。
アキの他にもあともう1人いたけれど、そいつとは小学3年生の頃から何年も会っていないし、
今どこにいるのか、
何をしているのか、
それすらも分からない。
そうだ、アキを信頼しているのは、この呼び方のせいもあるのかもしれない。
アキと出会ったのは高校入学前の春休み、
部活の練習に来た時にたまたま同日に顔を出していたのがアキだった。
自己紹介をしたら、
「春樹かー、じゃあ、“ハル”だな!!…あ、そうだ!俺のことは、“アキ”って呼ぶことにしようぜ!」
その時のアキの台風のようなノリだった。
でもその時の俺は、“ハル”と呼ばれる事に対して嬉しい気持ちと寂しい気持ちがあって、少し複雑な心境だった。
「───“ハル”、か…。」
そう呟いて、目を閉じると、
あいつの笑顔が思い浮かんだ。
また思い出してしまった。
忘れよう忘れようとしたけれど、
あいつだけは、俺の中の何かが、
忘れさせてくれないのだ。
『ハル!!見て!サーブ!サーブ打てるようになった!!』
……あの時無邪気に笑っていたお前は、今どこで、何をしているんだ。
突然俺の前から消えて、
連絡も寄越さないで、
俺は、俺は────。