ほっとけないのはお互い様

 「あっそ」

 まったく私のことなにも知らないくせに、そんな私も彼のことはなにも知らない

 「クラス委員号令」

 佐田くんは基本的に教室に居ない

 「桜井!号令!」

 「あ、はい!」

 でも放課後には必ず教室にあらわれる

 「今日はなんかある?」

 「特には」

 「じゃあ」

 「あ!佐田くん」

 「なに?」

 「いつもどこにいるの?授業の号令ずっと私だけなんだけど」

 「授業はわからない奴が受けるものだろ?」

 「え?」

 その答えはすぐにわかった

 「またあいつかよ!」

 新学期のテスト結果が張り出され

 ・一位 500点 佐田 翔馬・

 「嘘!満点」

 「わかった?」

 振り返ると佐田君がいた

 「うん・・・」

 「じゃあ号令は君の仕事ってことで」

 そういってまたどこかへ行ってしまった
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