願いごと、ひとつ。
ランチタイムの憂鬱
「大変申し訳ございません、お客様。一度商品の状態を確認させていただきますので、ご足労かとは存じますが、ご来店頂けますでしょうか」
心底申し訳なさげな演技たっぷりにマニュアル通りの受け応えをする私。
「なんで俺がわざわざ行かなきゃなんねーの? 面倒くせぇ。もういいよ、社長だせよ」
――社長だせ? あんたいったい何様よ?
「申し訳ございませんが、一度確認させて頂いた上で、適切な対応をさせて頂きますので、ご了承下さいませ」
「もういいよ。店でも散々文句言ってやるから」
たいそうご立腹のお客様は、そう捨て台詞を吐いて、プツッと電話を切ってくれた。
――やれやれ、やっと切ってくれたよ。
私、木下結歌。
二十八歳。
これが私の仕事。
私の日常。
某企業のお問い合わせ窓口で終日お客様の対応をする。
テレビのCM等で見かけるオペレーターのイメージとは程遠い。
大概はクレームに対応したり、代金が未納になっているお客様には督促の電話だってかけたりする。かなりストレスの溜まる仕事だ。
そんな毎日も今年でもう七年目。
会社に長く居れば居るほど、毎日に慣れてしまって、入社当初の初々しさなんていつの間にか忘れてしまった。
心底申し訳なさげな演技たっぷりにマニュアル通りの受け応えをする私。
「なんで俺がわざわざ行かなきゃなんねーの? 面倒くせぇ。もういいよ、社長だせよ」
――社長だせ? あんたいったい何様よ?
「申し訳ございませんが、一度確認させて頂いた上で、適切な対応をさせて頂きますので、ご了承下さいませ」
「もういいよ。店でも散々文句言ってやるから」
たいそうご立腹のお客様は、そう捨て台詞を吐いて、プツッと電話を切ってくれた。
――やれやれ、やっと切ってくれたよ。
私、木下結歌。
二十八歳。
これが私の仕事。
私の日常。
某企業のお問い合わせ窓口で終日お客様の対応をする。
テレビのCM等で見かけるオペレーターのイメージとは程遠い。
大概はクレームに対応したり、代金が未納になっているお客様には督促の電話だってかけたりする。かなりストレスの溜まる仕事だ。
そんな毎日も今年でもう七年目。
会社に長く居れば居るほど、毎日に慣れてしまって、入社当初の初々しさなんていつの間にか忘れてしまった。